こんにちは
キーウの街歩きで鮮烈な印象を残すのが青と金のコントラスト ─ ドニエプル川近くの丘陵地帯に建つ、聖ミハイル黄金ドーム修道院です。黄金に輝くドームはまばゆい光を放つ一方、外壁はあまり類をみない鮮やかな水色。他の建物にはないインパクトがあり、訪れる人の心に強い印象を残します。
観光客の撮影スポットになっていますが、その魅力は外から「見る」だけに留まりません。はじめて聖ミハイル黄金ドーム修道院を訪れる方に向けてご紹介します。
聖ミハイル(ムィハイール)黄金ドーム修道院

正式名称はウクライナ語で
Свято-Михайлівський Золотоверхий монастир
(スヴィャト・ミハイリウスキー・ゾロトヴェルヒイ・モナーストィル)
英語では “St. Michael’s Golden-Domed Monastery” と呼ばれ、その名前の通り、金箔ドームが青空に煌めく姿がシンボルです。
歴史:創建から再建まで
11世紀に大公ヴャチェスラフの命で創建されたと伝えられ、長い歴史の中でソ連時代の破壊を経験しました。その後ウクライナ独立後の復興ムードの中で再建が決定。1998年にほぼ往時の姿へとよみがえり、現在はウクライナ正教会の首座主教大聖堂となりました。
建立(1108–1113年)
キエフ大公スヴャトポルク2世が、ムィハイール(守護天使ミカエル)に捧げる聖堂として建立。中世キーウ最大級の教会の一つとなる。
戦禍と復興(1240年~17世紀)
1240年のモンゴル軍、1482年のタタール軍の襲来で大きく損壊。1469年にウクライナ正教会の修道院として再建され、1620年以降はキエフ主教庁の拠点に。
コサック支援とバロック化(18世紀)
イヴァン・マゼーパらコサック指導者の後援で敷地を拡張。食堂や学校、鐘楼を新築し、外装をウクライナ・コサック・バロック様式に改修。12世紀のモザイク・壁画もこの時期に保存。
廃止・破壊(1922–1936年)
ソ連による宗教抑圧で1922年に修道院は廃止。1934~36年にかけて大聖堂や鐘楼が爆破解体され、内部の文化財はモスクワやレニングラードへ移送。
復元と返還(1995–2004年)
1991年独立後、1995年に国家予算で復元開始。1998年に建物が完成し、2001~04年には旧ソ連時代に流出したモザイク・壁画も修道院に返還。
現状(2004年以降)
現在は礼拝と博物館として公開され、2018年には新生「ウクライナ正教会」の首座主教大聖堂に指定。青と金のコントラストが再び街のシンボルとなっている。
戦禍に見舞われ、爆破されたり廃墟になったりしながらも、そのたびになんとか守り抜かれ、復元されてきたことがわかります。外観が新しいので最近の建物のようにも思ってしまいますが、歴史を知ってから改めてみると、キーウの街ををずっと見守り続ける不屈のシンボルであることが感じられます。
外観の見どころ:水色×金

聖ミハイル修道院は、なんといってもまずその鮮やかな水色の外壁に目を奪われます。キーウ市内の他の修道院と比べてもかなりインパクトのある外観です。空を映すかのような淡いブルーは、快晴の日にはほとんど「消えかける」ほど空と同化し溶け込みます!そこへ太陽の光を浴びた金箔ドームがウインクするようなコントラストは、他ではあまり見ることがない色の組み合わせです!
多層ドームの配置
中央の大ドームを囲む小ドーム群は、大小さまざまなサイズとリズムで配置され、どの角度から見ても飽きさせません。周囲をぐるっと回ってみたり、上から見てみたりすることをおすすめします。
刻々と変わる表情
朝は凛とした空気の中で静かに輝きを放ちます。私のおすすめは夕暮れ時。この時間帯にカメラを向ける観光客の姿も多いです。
曇りの日は曇りの日で、晴れた日の空が外壁に保存されているかのようでもあり、どんな日に訪れてもその時だけの表情を見せてくれるのが魅力です!
内部探訪:フレスコ画・モザイク・イコン
内部は撮影禁止です。
扉をくぐると、外の鮮烈な青と金が嘘のように、静謐さと祈りに満ちた厳かな空気が広がります。壁画やモザイクの柔らかなきらめきに心を寄せれば、神聖で特別な場所なのだということを思い知らされます。ぜひそっと内部も見学されてみてください。
※女性の方はスカーフを用意していかれると良いかと思います。
鐘楼からの絶景:ドニエプルと街並みを一望

鐘楼にもぜひ登ってみることをおすすめします!ドニエプル川のゆったりとした流れとポディール地区の街並みが一望できます。足元の古い石畳が物語る歴史を感じながら、ケーブルカーの駅やソフィア大聖堂、アンドレイ教会の尖塔 ─ キーウの風景を360度パノラマで楽しむことができるおすすめスポットです。
黄金ドーム全体を写真に収めたい場合にも、鐘楼の上から撮るのがおすすめです。
ウクライナについてもっと知るならこちら。文化、政治経済、観光案内まで余すところなく書かれた一冊です。
拝観ガイド:開館時間・服装マナー

※変わる場合がありますので、行かれる前に公式情報をご確認ください。
拝観時間
毎日 08:00 ~ 19:00(季節により前後)
見学料
境内:無料
服装マナー
聖ミハイル大聖堂は正教会礼拝堂でもあるため、肌の露出は控えめにされることをおすすめします。女性は、頭部を覆うスカーフを持参すると良いかと思います。
アクセス
Triokhsviatytelska St, 8, Kyiv, Ukraine, 01601
アンドレイ坂の上、ドニエプル川近くの丘陵地帯に位置します。徒歩で行くと急勾配なので、地下鉄Poshtova ploshcha駅からケーブルカーを利用すると便利です。
ケーブルカーについてはこちらの記事で書いています。

モデルコース:ソフィア大聖堂→聖ミハイル大聖堂→アンドレイ教会

聖ミハイル大聖堂の周辺には、他にも見逃せないスポットがあります。
人の多い世界遺産のソフィア大聖堂に行ってから、聖ミハイル大聖堂を見学し、ゆっくりアンドレイ坂でショッピングをするコースがおすすめです。アンドレイ坂周辺には休憩やランチに利用できるお店もたくさんあります。
ソフィア大聖堂(世界遺産)についてはこちらの記事で紹介しています。

キーウ観光ならこちら!いつかキーウに行ってみたいという方も、キーウが懐かしくてたまらない方も。キーウの魅力を全部まとめた記事です。

キーウを訪れたら外せないスポットの一つ、聖ミハイル黄金ドーム修道院。その美しい姿をぜひご覧になってみてください。
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